インディアンスと予定調和のあいだ

先日、自称・よしもとで一番元気な若手お笑いコンビ、

インディアンスの東京初単独ライブ「東京ラヴァー〜え?!この間の単独のタイトル大阪ラヴァーやったのに?!〜」を観て来ました。

 
インディアンス(ズじゃなくてス)は芸歴8年目、今春大阪から上京したばかりの、ボケ・田渕さんとツッコミ・木村さんからなる2人組。下の名前はまだ覚えられず。すまーん✋
 
見た目はというと、
田渕さん:アンタッチャブルザキヤマさんとトミーズ雅さんを足して水で薄めた状態をキープしている(またその水は張りつめているためお肌がぴーんとしている。ちなみに先祖はピエール瀧)。通称たぶっちゃん。
木村さん:ノンスタ井上さんをふたまわりほど小柄にし、オリラジ藤森さんのスタイリストさんに適当に見繕ってもらった衣装を着ている眼鏡(屋で働く)男子。通称・・・きむ?(うろ覚え)
 
そんな彼らを知ったのはほんの数週間前のこと。
とあるテレビ番組でトレエン斎藤(斉藤?齋藤?)さんが今最も注目する芸人!として紹介していたのが妙にひっかかり、ファーストインプレッション的には田渕さんの地獄の果てまで続きそうなとにかくしつこい田渕のボケ倒し連想ゲームスタイルがインパクト大大大で意識失ってる間によしもとID会員登録してチケット購入ボタン押してました。ちなみにわたしは特に斉藤斎藤齋藤?さんのファンではありません。
 
というわけでやってきたのは新宿のルミネtheよしもと
こちとらチケット買ってお笑いライブなんて生まれてこの方Nice to meet youなわけで、無論ここにくるのも勿論お初です。
エレベーターを経てルミネDAよしもとに降り立つと、そこはルミネ2のフロアの中でも一番なんじゃないかというほどの熱気っぷりと綺麗っぷり(トイレもすごくきれい、女子はそういうとこ大事)、また敷地のほとんどがお土産やさんというさすが大阪の商人根性見してもらたわ、ほなさいなら✋という状態。
至るところに「会場内は飲食自由です!」という貼り紙の圧があり、ビールやジュースやお菓子や軽食なんかがいっぱいいっぱいで何か買わないと損なんじゃないかと思わせる恐怖の品揃え。さながら映画館、もはや映画館超え。
壁という壁に所狭しとよしもと芸人さん達のライブ告知ポスターが貼られてて、テレビで毎日見かけるあんな人こんな人がこの値段で見れるなんて・・・ちょっと見てみたい・・・とまんまと策略にはまるわたし。見渡す限り360度よしもとザワールド、これもう一つの観光名所だね。どっからどうみても大阪。リトル大阪タウン。否が応でもテンション上がってエセ関西弁になるわたし。
 
芸人土産をひととおり冷やかし、会場内へ入ると思ったより倍広い!なんとなーく勝手なイメージで縦長で急勾配(ミニミニ渋谷公会堂みたいな)で白っぽいところを想像してたのですが、実際はかなり横長でステージ幅も広くとられており、客席の高低差はほぼなくステージは高く、また奥行きはそんなでもないためどっからでも芸人さんが見放題。全体的に黒っぽく、まさに劇場といった感じ。座席も広く、座って余った部分に荷物置いても大丈夫なくらい快適。綺麗だし一人でも安心して居れる雰囲気で、一日中入りびたる人も少なくないんじゃないかと思う。
お客さんは95%が女子!圧倒的な女子率。(お笑いライブが基本的にそうなのかもしれませんが)ライブハウスともクラブとも違う、なんだろう・・・うまく表現できないけど、独特な、出会った事のないはじめての客層でした。年齢は平均30代かなぁ。でも大学生っぽい子もたくさんいる。
 
で、肝心のライブはというと、一時間の予定が本人達が喋りすぎて一時間半になっていたことも忘れるくらい、まったく飽きさせない喋り&構成で終始面白かったです。あああ笑ったー。
ネタ3本+バラエティ的コーナーを合間に2本挟むスタイルで、普段お笑いライブを殆ど観たことのないわたしには斬新だった:フリートークから自然にネタに繋いでいく、という境目がわからんイッツアDJスタイルが印象に残りました。
合間コーナーでは、①自分達の昔の映像を振り返りながらクイズ、②効果音とジェスチャーを合わせる神経衰弱ゲーム、となかなかの古典的企画にも関わらず、彼らがやると思わず笑っちゃう仕上がりになるのが不思議。ただそれが彼らの本質なのかもしれません。
 
最初は誰もがボケ田渕さんの向かうところ敵無しお笑い全包囲トークスキルに注目するのですが、序々に「あれ・・・もしかして一見普通に見えるツッコミ木村さんの方がヤバイんじゃねーの・・」と気づき、そこも大きな魅力になっているように思います。ハイパー天然ストロングハートの木村さんの挙動がステージに立つ人とは思えない。よく言うと自然体。

ネタ自体の設定や展開、田渕さんのボケの一つ一つはベーシックなんだけど、そのボケを畳み掛けることでまず筋書き通りに予定調和をぶっ壊す田渕さん、さらに真性ボケ王子・木村さんが天然スキルを発動しネタの流れそのものを変えてしまい本当の意味で予定調和のひっぺ返し、そこで予想外の笑いが起こることで、彼ら独自の世界観が生まれているように思います。
 
そんな木村さんなので、フリートークになると途端にボケとツッコミの立ち位置が自然と入れ替わり、ネタ中は機関銃のようにボケを繰り出しまくる田渕さんが、木村さんのあまりのド天然KMっぷりにツッコミ側に回らざるを得ない感じ。ただそこでの田渕さんのアドリブ力というか対応力が凄まじく、それがテクニックというより素でやっている感じも良いし、そのツッコミにも愛があるというか、2人の仲の良さがちょいちょい垣間見えるのがまた良い。まるで漫才始めたての中学生男子のようなやり取り。
 
そして田渕さんの返しは目を見張るものがあり、たまに出るテレビでさまざまな先輩芸人や大物タレントからのイジりやムチャぶりにもひょいひょ〜いとかる〜く乗りこなして自然に笑いを取っていくのが見ていて本当に爽快(と隣で無言でニコニコするだけの木村さん。たぶん素で「たぶっちゃんおもろいなぁ〜」って思ってるんだとおもう)。
ネタが面白い人ってフリートークやアドリブが苦手だったりするけど、この2人は全く別の方向を向いてそれぞれそのスキル(木村さんは素キル)があるし、また本人そのもののキャラの魅力でやっていけそうな気がします。
 (会場内に田渕さんのおばあちゃんが観に来ていたのも、人の良さが伺えるほっこりエピソードでした)
 
きっと今年のM-1ではいいところまでいくんじゃないかなー。で、年末年始の特番に引っ張りだこで来年パーンといってほしいですね。いや確実にそうなるよね。
もう来週から第一回予選がはじまるのかー。陰ながら応援しております。
 
ちなみに、こんだけ楽しませてもらって、チケット代たったの1500円!安い!
日頃友達のアマチュアバンドの対バンライブいくと3,000円とか普通に取られちゃうもんね。ドリンク代もかかったりするしね。
ライブハウスは機材や維持費がたいへんだと思うし、一方芸人さんは最低限マイクさえあればライブ出来ちゃうもんね。それはオケだけでライブできるアイドルとおんなじなのかもね。だからライブハウスでも費用対効果の高いアイドルライブが必然的に増えていくわけか・・・いやそれはアイドルの数が爆発的に増えていることも関係してるし一概には・・・長くなりそうなのでこの件はまたあらためてブログ書きたいと思います
うーん。考えさせられる。
 
あ。しいていうなら、せっかくの田渕さんの必殺技・畳み掛けるマシンガンボケ連想ゲームが、田渕さんが縦横無尽に動き回るため舞台中央にあるマイクがなかなか拾えず何て言ってるのかわからない問題がたびたび生じていたので、(もっと言うと木村さんの滑舌の悪さ※だがそこがいいより木村さんも何言ってるかわからなかった)そこは普通にピンマイクや出音でフォローしてほしいなあと思いました。
 
そんなかんじで。
 
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